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日本画・書画における材料技法と造形言語を基軸に、日本の歴史、文化、思想を顧みながら、伝統芸術と現代芸術を捉えなおすことを主眼に活動する。具象/抽象/現象を往来する体験や思索を重要視した作品を制作している。

主には日本、中国の古典絵画の模写と文化財修復で培った技術と経験をベースに絵画を制作する。
近年は水や紙の特性を活かした水墨画に取り組み、目には見えないけはいのようなものを、淡墨と僅かな筆致、余白によって表現する「罔両画(もうりょうが:Ghost style painting)」シリーズ、型紙と点描を組み合せた「Records」シリーズ、紙の吸水現象とかな料紙に着想を得たコラージュの作品「Absorption」シリーズなどがある。
そのほか、8世紀の中国を起源とする水墨画の技法、破墨(はぼく)を起点に領域横断的な活動を行なう「破墨プロジェクト」、岡倉天心の『茶の本』にある「beautiful foolishness of things」を活動理念とする「ちやのある Le Cha noir」など、一般的な絵画の領域を超える活動も多いが、東洋絵画と近現代の美術と美術以前を着想源とした作品を一貫して制作している。