山下和也個展
「星 尘 詩」(ほしくずのうた)
会期:2024年9月20日㈮-30日㈪ 水・木曜定休 12:00‐18:00 最終日17:00まで
会場:Gallery301 〒650-0023 兵庫県神戸市中央区栄町通1丁目1‐9 東方ビル301
電話:078‐393‐2808
作家在廊予定日
20㈮ 12:00-16:00
21㈯~23㈪ 未定
24㈫ 12:00-16:00
25㈬26㈭ 休廊日
27㈮ 12:00-16:00
28㈯ 29㈰ 未定
30㈪ 12:00-15:30
展覧会について
人は宇宙(そら)をどのような思いで眺めてきたのだろうか?
宇宙物理学など自然科学の1分野である天文学と考古学との境界領域にある古天文学。 前者は自然界の多様な現象を解明する研究、後者は人間の思想哲学を行為や記録(遺物)から読み解く研究である。 人間の知的好奇心や探求心によって、生まれてきた宇宙観や天文学は、民族や国家、時代の境界を越えて影響を与え、発展してきた。
たとえば、古代ギリシャの数学者ピタゴラス(紀元前582-紀元前496)は天体の運行が常に音を発しており、宇宙全体が大きなハーモニーを奏でていると考えていた。「天球の音楽」として知られるその思想は、哲学者プラトン(紀元前427-紀元前347)をはじめ二千年後のドイツの天文学者ケプラー(1571-1630)にも影響を与えている。
自然(宇宙)と人間と芸術。広大な宇宙においては星の屑にも満たない様な人類の歴史やもっと些細な営み。それらを引き合わせて少しずつ手や頭を動かして継ぎ、展覧会を編む。 事物を通じて個々に現れる目には見えないもの、耳には聞こえない音楽を仮にここで詩(うた)と呼び、そのポリフォニーを傾聴しながら私も宇宙(そら)を眺めてみようと思う。
会期はちょうど仲秋の名月を経て新たな月へと向かう頃。是非会場へ観測にお越しください。
山下和也 YamashitaKazuya
山下は、京都嵯峨芸術大学芸術学部美術学科日本画コース専攻科古画研究工房を卒業後、研究生を経て、文化財修復に携わりながら現在に至るまで精力的に作品の制作・発表を行っています。2017年より神戸に移住後、C.A.P.メンバーとして活動し、海外のコレクティブとのSee Saw Seedsプロジェクトや六甲ミーツ・アートへの参加、芸術鑑賞講座のCAP STUDY、ARTS STUDYの企画メンバー、自主企画による異分野共同プロジェクト「破墨プロジェクト」、東北や関東の日本画家を中心としたメンバーによる近代、美術を再考する「パラレルモダンワークショップ」と様々なプロジェクトを並行して精力的に活動を展開しています。
山下の作品は、素材や技法、状況や歴史の考察から展開する制作の方法論と、様々な事象を時空を超えて横断してつなぐ視点からつくられます。そこに東洋の古典絵画の模写や文化財修復の現場で得た専門的な技術や知見、手遊びや工作的な手法まで手業として自在に織り交ぜ、書画(書くこと/描くこと)と他分野の領域を独自に編みなおして創造を試みます。
また、展覧会を個々の作品のみならず、他の作品との相互関係やテキスト、鑑賞体験によって紡がれる総合的な経験として捉え、多元的に編み込んだひとつのポリフォニックな作品として提示します。
昨年のGallery301での個展では1枚の譜面から作品を展開しましたが、本展では藤原定家(1162-1241)の日記である「明月記」を手掛かりに、古天文学への関心から制作した新作を発表します。
どうぞ、この機会に是非ギャラリーまでお越しくださいませ。