Studyシリーズ.6 戦後前衛書から探る「美術」の周縁

Studyシリーズ.6 戦後前衛書から探る「美術」の周縁
【5/23(木)までに要予約】
10:30〜12:00/講師:向井 晃子(神戸大学国際文化学研究推進センター協力研究員)
参加費:1,500円
内容:美術史学の最新研究のレクチャーです。第二次大戦後、のちに「前衛書」と呼ばれる新たな 書に挑戦した作家たちと国内外の美術家が互いに興味を持って交流した時期がありました。東アジ アに源を持つ「書」から生まれた新たな表現を、日本が明治以降に導入した西欧発祥の「美術」と いう価値観や仕組み、日本社会の近代化と照らし合わせて読み解きます。
企画者コメント:東アジアを代表する芸術表現としての歴史を持つ書。筆墨の芸術として書画同源、 書画一致という言葉がありますが、現代では書と画は別の芸術として展開されています。Studyシ リーズ.2では戦後前衛芸術を代表する具体美術を取り上げましたが、同時代に日本で発生した前 衛書について取り上げます。文字を書かない非書にみられる抽象性や身体性、パフォーマンス、筆 墨による様々な実験は書という歴史背景を背負いながら前衛へと飛躍するなかで、どのような実践 および内実があったのでしょう。書と画が分かれた近代の起点と「美術」に接近する戦後前衛書を 顧みることは、日本固有の歴史背景や美術史を再考するうえで参照すべき内容ではないでしょうか。 講師の向井さんは元々造形作家として歩みはじめ書家へと活動を広げ、異分野とのコラボレー ショも行なってきました。そのため、実作者と美術史家の両眼で前衛書を捉えることが出来ます。 前衛書を動員した上田桑鳩、森田子龍、井上有一を経て篠田桃紅を含む書のモダニズムを検証する 内容の論文で今春に博士号を取得されました。「戦後前衛書に見る書のモダニズム:『日本近代 美術』を周縁から問い直す」は、書のみならず美術の分野からも大変興味深い研究です。 この機会を是非、お見逃しなく!
講師プロフィール:大阪生まれ。2019年神戸大学大学院国際文化学研究科グローバル文化専攻芸術 文化論コース博士課程後期課程修了。博士(学術)。博士論文タイトルは「戦後前衛書に見る書の モダニズム:『日本近代美術』を周縁から問い直す」。
主催・企画/ 山下和也(SunSui.) 破墨プロジェクト
共催/ C.A.P.(芸術と計画会議)
協賛/ 株式会社 墨運堂

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