すべてはつながりの中で変化している

 

会期:2022年10月21日㈮-31㈪  水・木曜定休   12:00‐18:00 (最終日17:00)
場:Gallery301  〒650-0023 兵庫県神戸市中央区栄町通1丁目1‐9 東方ビル301

展覧会関連イベント:ギャラリートーク 

日時:2022年10月30日㈰ 15:00‐16:00 

           ​登壇者:山下和也(日本画家)× 尺戸智佳子(黒部市美術館学芸員)   

 

展覧会について

 本展は「うつろいうつす」ことをテーマにした絵画の展覧会です。

ここでいう「うつろい」とは、時間と空間の変移のことです。「うつす」は、ものやことに倣う(写す)こと、ものの姿やかたちを投影する)こと空間から空間へ置き換える移す)ことです。

『Records』『Trace of being』『Absorption』『Valo』の4つのシリーズで構成された本展は、それぞれ異なる技法と表現で、西洋絵画の伝統的主題である光と東洋絵画の伝統的な主題である水を描いています。また展覧会において、時間と空間を越境する存在として渡鳥が随所にあらわれます。渡り鳥は金銀や型紙によるシルエットや空白として、距離や鑑賞状況によって現れたり消えたり、変化するように描かれます。水鳥と水紋という日本画の古典モチーフを題材に、かな料紙の装飾技法(Absorption)や型紙を使った乾式拓本技法による作品(Trace of being)の展開、肌裏打ちの透過性を活かした作品(Valo)など、岩絵具を一切使っていないにも関わらず、東洋絵画、日本画の材料技法の特性から展開する作品で構成しています。『Records』もまた、滲み止めした紙の上での墨の留まりに着目した「たらし込み」技法と池大雅の南画に見られる生紙での点描法の双方を起点に、痕跡の捉え方や見え方から造形を展開しています。様々な技法による絵画は展覧会のテーマ(「うつろい」を「うつす」こと)に一貫しており、限られたモチーフを様々な造形言語で創造的に翻訳しています。

「これまでの古典の中から得る自然観から、より日常の実感から作品をつくる変化がフィンランドのレジデンス以降感じられる。これまでの培ってきたものの上に、さらに抽象的な世界へと作品が飛躍してきた。」