私たち behind our perspective

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Gallery3(4F)

会期 :2019年12月13日[金]─12月29日[日]11:00~19:00 月曜日休廊 / 金曜日のみ20:00まで
関連イベント :アーティスト・トーク 12月21日[土] 16:00~17:30 予約不要・入場無料
      山下和也 聞き手:はがみちこ(アート・メディエーター)
主催 :ギャラリー・パルク
会場 :Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]

〒604-8165 京都府 京都市 中京区 烏帽子屋町 502 2F~4F

展覧会について

 本展は水墨画の作品を中心に、罔両画(松風、松風【弐】、須磨、玄象)、Suomi(ink, color ink)、寒山拾得、tautolo字のシリーズの作品を展示しました。2階から4階へと階段を登りながら会場を巡る構造を起点に、絵画、テキスト、空間による体感的な鑑賞体験を試みました。

山下の罔両画による作品を中心に構成される本展は、「テキスト」をもうひとつの重要な構成要素として扱います。ロラン・バルト、フィオナ・タン、森鴎外、土方巽など、会場に配されるテキストは、いずれも過去に全く別の目的や文脈で書かれたものの断片であり、直接的に個々の作品を補足・補完するようなものではありません。しかしながら、本展においてこれらは、誰の、どのような言葉であるかという背景も含め、作品の鑑賞体験に強くはたらきかける内容が選ばれています。繊細な濃淡やかすかな筆致によって描かれる山下の罔両画は、そこに射す光と、光を受ける紙との狭間に淡く「絵」が存在するかのようです。また、僅かな変化で緩やかに見え方がうつろうその線は、鑑賞者の身体や記憶・経験によって異なる景色をうつしだすものであり、「絵」は線と鑑賞者の狭間に存在するものであるともいえます。本展は、作品とテキストが、鑑賞者によって直線的・平面的な関係のみならず、立体的な関係性へと展開することを企図して構成されています。また、そうして作品と鑑賞者によってつくられたパースペクティブ(空間、視座)を、鑑賞者自らが泳ぎ・漂うような体験をしていただければと願っています。鑑賞者が作品(他者)の中に自らを発見する時、そこには個人や国、時代を超えた「私たち」が立ち上がるのではないでしょうか。そして、「私たち」はその向こう側(behind)を眼差すことを可能とするのではないでしょうか。

GalleryPARC展覧会テキストより